
最近のタイバーツ高を見て、「ドル安だからでは?」「新興国通貨が全体的に強いだけ?」そう思っている人も多いかもしれません。
ただ今回のバーツ高には、もう一つ重要な要因があります。それが、金価格の急騰です。この記事では、なぜこの現象が起きているのか、そしてこのバーツ高をどう見ればいいのかを、初心者にでも分かるように解説していきます。
本記事のポイント
- なぜタイ経済は強くないのに、バーツだけが高くなっているのか
- 金価格の上昇が、どうやって為替(バーツ高)につながっているのか
- どこまでバーツは上がるのか
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タイバーツ円が「やばすぎる高騰」いま何が起きてる?

いまTHB/JPYは、月足で見ると2020年以降ずっと“構造的な上昇トレンド”を作り続け、ついに5.01円を突破。一方で同じ期間、金(ゴールド)も4,493ドルと史上最高値圏に入り、しかも2024〜2025で+約125%超の急騰。この「バーツ高」は単なるノリや投機というより、金・資金フロー・円の弱さが噛み合って起きている“根拠が伴った上昇”です。
ただし、月足RSIが70超えは=過熱圏に近いのも事実。さらにタイ中銀が金取引まわりで規制・監視強化に動いているため、短期は“調整が来てもおかしくない局面”に入っています。
なぜタイ通貨の急騰は「経済の重力」に逆らっているのかと聞かれれば、現在、タイバーツは米ドルに対して、過去8年で最大となる年間上昇率に向かっている。
しかし、この動きを表面的に見ると、その強さを正当化する材料は多くない。タイ経済は必ずしも力強い状態とは言えず、観光需要は伸び悩み、家計債務は高水準にとどまっている。加えて、米国向け輸出には19%の関税が課されており、通常であれば通貨高を支える環境とは言い難い。それでもバーツは上昇を続けている。その背景の一つに、金価格の上昇がある。金相場に支えられたこの通貨高は、結果として東南アジア地域の製造業、とりわけタイの輸出競争力を押し下げている。こうした状況は、今年就任したばかりで、2月に前倒し総選挙を控えるアヌティン・チャーンウィラクン首相にとって、経済運営上の新たな逆風となりつつあるのだ。
テクニカルで紐解く:月足チャートが示している「本質」とは?
ざっくり言うと、THB/JPYは2020年以降に「上昇トレンドの条件」が綺麗に揃っていきました。
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2020〜2023:上昇トレンド形成期
コロナ後の底から切り上げが続き、移動平均線も上向きに整っていくフェーズ。
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2024〜2025:上昇の加速期(いまここ)
4.8円→5.0円を超えて伸び、トレンドが一段強くなった局面。
ポイント
月足RSIが80付近まで来ている(=買われ過ぎ圏)ので、短期的には「上げすぎの反動」で押す可能性が上がります。
ただし、強トレンドではRSIが高いまま推移することもあるので、“過熱=即トレンド終了”ではないのがいやらしいところです。
なぜバーツが強い?4つの“構造的ドライバー”
今回の上昇は、主にこの4つが同時に効いた結果だと整理できます。
1) 金(ゴールド)高が、バーツに追い風になっている

金価格が4,493ドルと最高値圏にあり、2024〜2025で急騰しています。
この金高が、タイの特殊事情と噛み合うのがポイントです。
タイは金取引のハブとしての性格が強く、金が動くと資金の出入りが大きくなりやすい。
◾️金が上がる
→ 金取引が活発化
→ 為替の転換需要が増えやすい
→ バーツ買い圧力になりやすい、という流れです。
2) 記録的FDI(外国直接投資)が入っている
ブルームバーグのニュースでは、タイへのFDIが422億ドル(2025年1〜9月、前年比+94%)とされています。
これは実需として強い。投資が入ると、現地通貨需要(=バーツ需要)が増えるので、通貨高の土台になります。
3) 円側が“構造的に弱い”
THB/JPYは「バーツが強い」だけでなく、「円が弱い」も同時に効きます。
つまり、バーツ高×円安の二重効果でクロスが伸びやすい。
4) タイ中銀が“動き始めた”=相場が社会問題化している
タイ中銀が金取引関連で
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監視強化
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課税検討
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大口取引への上限や報告強化
などに言及しているとあります。
いま一番こわいのは「過熱+介入(規制)」のセット
いまの局面は、例えるならこうです。
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チャートは強い(上昇トレンド継続)
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でも熱い(RSI高い)
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さらに大人(中銀)が見てる(政策・規制)
つまり、上昇の正当性がある一方で、短期的には「ちょっと冷やす(調整)イベント」が起きやすい。
ここで初心者がやりがちなのが、上がってるのを見て焦って飛び乗る(高値掴み)→ 調整でビビって投げる。この往復ビンタです。
月足のBB(ボリンジャーバンド)を拡大させている値動きでは天井探しすることは不可能に近い。トレンドはここ数十年の中で最も強く、大きくタイ経済が揺れ動いていることは間違いない事実です。
強すぎるバーツの何が問題なのか?
バーツ高は、海外市場でタイ製品の価格競争力を低下させています。商務省のデータによると、10月の輸出伸び率は1年以上で最も低い水準となりました。
観光業も打撃を受けています。通貨高により、「低コストな旅行先」としての魅力が薄れているためです。財務省は10月、2025年の外国人観光客数見通しを、従来の3,450万人から3,350万人へ下方修正しました。
特に中国人観光客は、ベトナムや日本など、より安価な旅行先へ流れています。これは、今年発生した著名な誘拐事件による治安懸念も影響しています。また、タイ南部で発生した深刻な洪水は、最大の訪問国であるマレーシアからの観光客減少にもつながりました。
一方で、バーツ高は燃料や家電などの輸入品価格を押し下げ、インフレ緩和に寄与する面もあります。しかし、輸出と観光に大きく依存する経済構造を考えると、メリットよりデメリットの方が大きいといえます。
【悲報】ついに1バーツ=5円。
日本に帰ろうかと悩んだあなた、ちょっと待ちなさい?
この数字を見て、胸がザワっとした人、多いはず。
でもね、
「今すぐ帰国」が正解な人と
「まだタイに残った方がいい人」
実は、はっきり分かれる局面なの。▼日本に帰るメリット… pic.twitter.com/PpEUl5pSR1
— バンコクの母(57)🇹🇭 (@thaigir11) December 21, 2025
政府はこの通貨高にどう対応できるのか?

9月初旬に産業界と会合を行った後、アヌティン首相はバーツ高への懸念に早急に対応する姿勢を示しました。しかし、政治的混乱により、政府の政策方向には大きな不透明感があります。
アヌティン首相は、就任から2年で3人目の首相となり、12月中旬には不信任決議を阻止するため下院を解散しました。総選挙は2月8日に実施されます。
来年、誰が政権を担うにせよ、難しい舵取りを迫られます。
バーツがさらに上昇すれば、脆弱な経済を損なう恐れがあります。一方で、通貨を意図的に大きく切り下げれば、米財務省から「為替操作国」に指定され、貿易制裁のリスクが高まり、輸出業者にさらなる打撃を与えかねません。
現在の対応と今後の選択肢
現時点では、タイ当局は「過度な変動」を抑えるために為替市場への介入を行っています。タイ中央銀行(BOT)は、バーツは経常収支、金利差、経済成長といったファンダメンタルズに委ねるべきとしつつ、必要に応じて介入する姿勢を示しています。
実際、完全に静観しているわけではありません。為替介入の結果、外貨準備高は12月12日時点で過去最高の2,780億ドルに達し、GDPのおよそ半分に相当します。
また、BOTは企業が海外に保有できる外貨収入の上限引き上げを提案し、外貨管理の柔軟性を高めようとしています。さらなる措置も検討中です。
金取引への対策も検討

中央銀行は、金がバーツに与える影響を抑える方法について、金取引業者と協議を進めています。
一つの案は、オンライン取引を通じて米ドル建てで決済される金取引を増やすことで、金の流れとバーツの直接的な連動を弱めることです。
また、金融機関に対し、金関連取引の監視を強化し、非公式ルートでの金流通を抑制するよう求めています。
さらに、現物金取引への課税も検討されていますが、当局は「時間を要し、詳細な調査と業界との協議が必要」と慎重な姿勢を示しています。

バンコク駐在主婦
30代女性
金の取引をドル建てにするとか、監視を強めるとか聞くと、なんだか規制が増えて、普通の人にも影響が出るんじゃないかって不安になります。将来、送金とか外貨両替とかがやりにくくなったりしないのかな?と考えると今のうちに金に資産を移しとくのは賢い選択かも。
初心者が「いま」取るべき行動はシンプル
相場で一番強いのは、テクニックより先に“型”です。
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高値追いしない(焦りで飛び乗らない)
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押し目を待つ(待つのも戦略)
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情報弱者から抜け出す(発言・規制・税制の変化)
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金(XAU/USD)をセットで見る(連動の柱)
メモ
THB/JPYだけを見ていると、“理由のない暴騰・暴落”に見えますが、
金・資金フロー・政策を一緒に見ると、「起きてること」が急に読めるようになります。
まとめ:これは“偶然の高騰”じゃない。でも、熱い相場ほど冷静さが武器
今回のTHB/JPYは、月足が示す通り「長期で積み上げた上昇トレンド」の上に、
金高・FDI・円の弱さが乗って加速している流れです。
だから結論はこう👇
トレンドは尊重する。だけど、過熱してる今は“焦らない”が正解。
上がった理由がある相場ほど、次の一手は「飛び乗る」じゃなく「押し目を待つ」が勝ち筋になりやすいです。
数十年レベルの大高騰してる今、ここから下がるなんて甘い魔法は今は忘れて、衝撃に備える準備をしておくことをおすすめします。
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