
「微笑みの国」タイ。
黄金の寺院が並ぶこの国には、罪人が責め苦を受ける「地獄」を再現した寺院も存在します。
一見するとB級珍スポットのようですが、その背景には仏教の因果応報という教えがあります。
恐ろしくもどこかシュールな光景は、一度見たら忘れられません。
今回は、バンコク近郊を中心に、チェンマイも含めた個性豊かな地獄寺5カ所を紹介します。
本記事のポイント
- タイ独特の寺院文化「地獄寺」とは?
- それぞれの寺院のユニークな見どころ
- バンコク近郊&チェンマイのおすすめ地獄寺5選
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はじめに

「地獄寺」とは、寺院の境内に地獄の世界を再現した空間を持つ寺院のことです。
巨大な亡者の像や、釜ゆで、棘の木登りなどの責め苦がコンクリート像で表現されており、参拝者がその中を歩きながら仏教の教えを体感できるようになっています。
その独特な光景から、日本では「B級珍スポット」として紹介されることもあります。
しかし現地では、仏教の教えを視覚的に伝えるための真面目な場所です。
恐ろしい地獄の光景なのに、どこかシュールな雰囲気を感じるのも、この地獄寺の特徴です。
バンコク市内には大規模な地獄寺はありませんが、少し足を伸ばせば日帰りで訪れることができる場所が点在しています。
この記事では、バンコク近郊で訪れることができる代表的な地獄寺5カ所を紹介します。
この記事では、バンコク近郊を中心に、チェンマイも含めた代表的な地獄寺5カ所を紹介します。
地獄寺界の絶対王者「ワット・パイロンウア」

場所:スパンブリー県
タイ語名:วัดไผ่โรงวัว(Wat Phai Rong Wua)
まずはここを見ずして、タイの地獄寺は語れない。248ライ(約40ヘクタール)という圧倒的な広さに数百体ものコンクリート像がひしめく、まさに地獄寺の総本山。知名度・規模ともにタイ国内随一のこの寺は、地獄寺めぐりのスタート地点として外せない筆頭候補。
特徴
・規格外の巨大さ:遠くからでも視認できるほど巨大な「餓鬼(プレータ)」の像が数体そびえ立ち、その悲痛な叫びが聞こえてきそうな迫力です。
・数の暴力:広大な敷地には数百、数千とも言われる無数のコンクリート像が並びます。釜茹で、串刺し、内臓引き出しなど、ありとあらゆる地獄の責め苦が網羅されており、まさに「地獄のテーマパーク」状態。
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| 移動方法 | アクセス方法 |
| タクシー / Grab | バンコク中心部から約1〜1.5時間 |
| バス利用 | 南バスターミナル Sai Tai Mai(サイタイマイ)へ移動 68番バスに乗車 運賃:約50バーツ 所要時間:約1〜2時間 運行時間:6:00〜18:00(約1時間に1本) Wat Phai Rong Wua前バス停で下車 道路の向かい側に寺の入口 |
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天国と地獄の衝撃コントラスト「ワット・ムアン」

場所:アーントーン県
タイ語名:วัดม่วง (Wat Muang)
アユタヤのお隣、田園地帯に突如現れる絶景と恐怖の寺院です。バンコクから日帰りで訪れることができ、地元タイ人はもちろん外国人観光客にも広く知られた、地獄寺の「有名どころ」として揺るぎない地位を築いています。天国の象徴と地獄の惨状が文字通り同じ敷地に共存する、ここでしか味わえない唯一無二の体験が待っています。
特徴
・高さ93mの黄金仏:タイ最大級の巨大座像「ルアンポー・ヤイ」は圧巻の美しさ。その指先に触れて祈るのが参拝の定番です。
・見下ろされる地獄:美しく輝く大仏のすぐ足元に、凄惨な地獄エリアが広がっています。慈悲深い仏の顔と、血みどろで苦しむ亡者の対比は、仏教の世界観(六道輪廻)を視覚的に表現した傑作と言えます。
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| 移動方法 | アクセス方法 |
|---|---|
| ロットゥー(ミニバン)+バイタク | BTSモーチット駅 から移動
チャトゥチャック・ミニバスステーション(Mo Chit 2 / モーチット2) ロットゥー(ミニバン)に乗車 バスターミナル前のバイタクを往復チャーター ワット・ムアン到着 |
「地獄へようこそ」庭園型地獄「ワット・セーンスック」

場所:チョンブリー県(バンセーンビーチ近く)
タイ語名:วัดแสนสุข (Wat Saen Suk)
ビーチリゾートのすぐそばにあり、観光客にも比較的行きやすい「入門編」としてもおすすめの場所です。バンコクから1.5〜2時間というアクセスのよさに加え、バンセーンビーチとセットで回れる立地の妙が最大の強み。グロテスクすぎず、それでいてしっかり怖い——地獄寺デビューにちょうどいい「ほどよい刺激」が待っています。
特徴
・Welcome to Hell:入り口に掲げられた「Welcome to Hell」の看板は、SNSでも有名な撮影スポット。
・学習しやすい構成:地獄エリアは綺麗な庭園のように整備されており、順路に沿って物語を追うように見学できます。罪状の解説(英語併記あり)も充実しており、「教科書的な地獄寺」と言えます。
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| 移動方法 | アクセス方法 |
|---|---|
| バス / ロットゥー(乗合バン)+バイタク | BTSエカマイ駅(Ekkamai)下車 → 2番出口方向
バスまたはロットゥー(乗合バン)に乗車 ブラパー大学前(またはバンセーン方面)で下車 バイタクでワット・セーンスックへ移動 ワット・セーンスック到着 |
バンコクから一番近い地下地獄「ワット・プート・ウドム」

場所:パトゥムターニー県
タイ語名:วัดพืชอุดม (Wat Phueat Udom)
「バンコク市内に地獄はないの?」という方へ。行政区分は隣県ですが、実質バンコク郊外にある穴場です。BTSの終点・クーコット駅からバスで行けるというアクセスのよさは、遠征が必要な他の地獄寺にはない強みです。外国人観光客にはまだほとんど知られていない、知る人ぞ知るスポットとして、地獄寺マニアの間でじわじわと注目を集めています。
特徴
・珍しい地下地獄:多くの地獄寺が屋外である中、ここは本堂の「地下」が地獄になっています。暗い階段を降りると、そこは湿り気を帯びた異空間。
・昭和レトロなギミック:機械仕掛けで動く古い地獄像が多く、遊園地のお化け屋敷のような哀愁があります。地獄を抜けて上階へ行くと「天国」があり、地獄から天国への階層移動を体験できます。
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| 移動方法 | アクセス方法 |
|---|---|
| BTSスカイトレイン+バス+徒歩 | BTSクーコット駅(Khu Khot )で下車(終点)
3番出口を出てすぐのバス停から 6250番バス(Lamlukka Klong 16行き) に乗車 ⚠️6250番バスはすべてがワット・プートウドム方面へ行くわけではない 下車後、幹線道路を渡る ワット・プートウドム 到着 |
北の隠れ地獄「ワット・メー・ケート・ノーイ」── コイン式で亡者が動く!

場所:チェンマイ県
タイ語名:วัดศรีดอนชัยป่าตึงงาม (วัดแม่แก้ดน้อย)
タイ北部の古都チェンマイにある、知る人ぞ知るカルト的な人気を誇る地獄寺です。今回ご紹介する5カ所の中で唯一の北タイ枠であり、バンコク近郊の大規模な地獄寺とはまったく異なる、コンパクトな境内に凝縮された密度の濃い恐怖が魅力です。旧市街からGrabで40〜50分、入場料10バーツという気軽さで、チェンマイ滞在中にひと味違う体験を求める方にぴったりの寺院です。
特徴
・ギミック搭載:お賽銭を入れると、地獄の亡者たちの人形が動き出したり、悲鳴のような音が流れたりする「動く地獄」です。
・お化け屋敷のような暗さと不気味さがあり、他の開放的な地獄寺とは違った恐怖感があります。
・地獄だけでなく、現代社会の問題などを風刺したユニークな像も見られます。
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アクセス
| 移動方法 | アクセス方法 |
|---|---|
| Grab / タクシー | チェンマイ旧市街(ニンマンハーミン周辺など)から出発
Grab Car またはタクシーで ワット・メー・ケート・ノーイ(Wat Mae Kaet Noi) へ 所要時間:約40〜50分 |
タイの有名地獄寺 比較一覧表

ここまで紹介してきた地獄寺は、同じ「地獄」をテーマにしていても、その雰囲気や見どころは大きく異なります。
巨大な餓鬼がそびえる圧倒的スケールの寺院から、地下に広がる地獄、さらには動く人形で地獄を再現した場所まで実にさまざまです。
「どこから行けばいい?」と迷う方のために、今回紹介した地獄寺の特徴を一覧でまとめました。
グロテスク度やアクセスのしやすさも含めて比較してみてください。
|
寺院名 |
場所 |
グロテスク度 |
アクセス |
おすすめポイント |
|
ワット・パイロンウア |
スパンブリー |
★★★★★ |
バス可 |
規模No.1。地獄寺の総本山的場所。 |
|
ワット・ムアン |
アーントーン |
★★★★☆ |
車推奨 |
93mの黄金仏と地獄の対比が美しい。 |
|
ワット・セーンスック |
チョンブリー |
★★★☆☆ |
車/バス |
庭園型で見やすい。「Welcome to Hell」。 |
|
ワット・プートウドム |
パトゥムターニー |
★★★☆☆ |
バス可 |
バンコク最近郊。珍しい地下地獄。 |
|
ワット・メーケートノーイ |
チェンマイ |
★★★★★ |
車推奨 |
動く地獄。お化け屋敷級の恐怖ギミック。 |
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まとめ

タイの地獄寺は、単なる「怖いもの見たさ」のスポットではありません。
それは、『三界経』の時代から続く「善く生きなさい」という教えを、時代に合わせて3Dへと進化させた、タイの人々の知恵と信仰の結晶です。
強烈なビジュアルに圧倒され、時にはそのシュールさに笑ってしまうかもしれません。しかし、地獄の釜の前で無邪気に遊ぶ現地の子供たちの姿を見たとき、あなたの「地獄」に対するイメージはきっと変わるはずです。
ぜひ次のタイ旅行では、この奇妙で深いワンダーランドに足を踏み入れてみてください。
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