
中東情勢が悪化すると、タイで暮らす私たちの家計や資産運用も無関係ではいられません。
タイはエネルギーの海外依存度が高く、原油価格が上がると、燃料費だけでなく、物流コスト、物価、企業収益、そして為替にも波及しやすい構造です。
しかも今回は、ただのニュースでは終わりません。
タイ中央銀行は今回の原油ショックを供給側ショックとみており、通常の利下げでは対処しにくいと説明されているからです。
この記事では、いまのタイで起きている原油高、物価上昇圧力、為替変動をどう読むべきか、そしてタイ在住者がどんな考え方で資産配分を見直すべきかを整理します。
ブックマークして、落ち着いて何度か読み返してください。
本記事のポイント
-
なぜ中東戦争がタイの家計と資産運用に直結するのか
-
バーツ安とバーツ高が同時に語られる理由
-
タイ在住者が今やるべき資産配分の考え方
このサイトはAI画像を使用しています
なぜ中東戦争がタイの資産運用に直結するのか

図表①
タイ経済が中東情勢の影響を受けやすい最大の理由は、エネルギーの海外依存です。
タイの原油輸入の過半は中東由来で、その多くがホルムズ海峡を通過しています。
つまり、中東で戦争が激化すると、タイは次の3つを同時に食らいやすいわけです👇
-
原油価格の上昇
-
輸送リスクの上昇
-
企業コストと生活コストの上昇
原油価格が上がれば、輸入代金が増えます📈
すると、ガソリン代、輸送費、電力コスト、食品価格までじわじわ押し上げられます。
ここで大事なのは、これは一部の投資家だけの話ではないということです☝️
タイ在住なら、家計、防衛資金、給与の実質価値、投資リターンの全部に影響します。
タイで暮らしてると分かるんですが、原油が上がるとバーツが弱くなる動きが出るんですよね。でも円も弱いから、日本人からすると逆にバーツ高く感じる。このズレが結構怖い。為替をちゃんと分けて考えないと、気づいたら資産が削られてる感覚になります。
こちらもCHECK
-
-
【半導体戦争】 AIバブルの本当の勝者は誰だ?設計・製造・装置の支配マップを徹底解説
AI株が強い。 NVIDIAが史上最高値を更新。 ――でも、あなたは“本当に儲かっている側”を見ていますか? 2025年、半導体市場は 約123兆5,052億円。 この巨大マネーは、どの国の“どの役割 ...
続きを見る
数字で見ると一目で分かる 原油高で生活と経済はどう変わるのか

図表②
図表が示しているのは、とてもシンプルな構造です。
原油が上がるほど、景気は弱くなり、生活費は上がるのを可視化しています👀🔍
たとえば次の3つのケースで考えてみてください👇
・軽度
原油85〜90ドル(約13,515〜14,310円)
→ 景気は少し悪くなり、生活費はじわじわ上がる
・中程度
原油95〜100ドル(約15,105〜15,900円)
→ 景気の減速がはっきりし、物価上昇も体感レベルに
・深刻
原油110〜130ドル(約17,490〜20,670円)
→ 景気は大きく落ち込み、生活コストが一気に上昇
2026年4月時点で原油高は92ドルですここで重要なのは数字ではなく意味です。
あなたなら、ガソリン代や食費が上がる状況を想像すると分かりやすいはずです。
ポイント
つまりこの図は、原油高=生活が苦しくなる方向に進むという現実をそのまま表しています。
まず整理したいのは、バーツ安とバーツ高が同時に存在することです

「バーツ高って聞くのに、なんでタイのニュースはバーツ安って報じるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
この違和感の正体を理解できないまま投資をすると、判断を間違える原因になります。
実はここ、資産運用や投資初心者多くの人が混乱する部分なんです。
たとえば、あなたが円ベースで生活しているなら、円安の影響でタイの物価は高く感じます。
一方で市場はドル基準で動くため、ドルに対してバーツが弱ければ「バーツ安」と評価されます。
つまり
・ドル視点 → バーツ安
・円視点 → バーツ高
という「二重構造」が同時に存在しています。
原油高でどう動く?対ドルで見るとバーツが弱くなるシンプルな理由

結論から説明すると、タイは原油を海外から輸入しています。
そして原油はドル建てで取引されるため、価格が上がるほどドルを買う必要が増えます。
つまり、原油高になるとドル需要が強まり、結果としてバーツは対ドルで下押しされやすくなります。
実際、タイ中央銀行の公表ベースでは、4月3日時点の加重平均インターバンクレートは
1ドル=32.644バーツでした。
さらに3月には、原油ショックを背景にバーツが対ドルで大きく下押しされました。
ここで重要なのは、市場が言うバーツ安は基本的に「対ドル」での話だという点です。
あなたが円ベースで見ている場合、この動きと体感がズレることがあるのは自然なことです。

ファンドマネージャー
40代男性
為替は“相対比較”なんです。ドルが他通貨に弱くても、タイは原油をドルで買うのでドル需要が増えます。結果、バーツの方がより弱くなり、対ドルではドル高に見えるんです
でも日本人には、対円でバーツが高く見えやすい

一方、日本人の生活感覚は円基準です。
円が弱い局面では、タイの生活費や旅行コストは高く感じやすくなります。
言い換えると、今の相場環境は次の二重構造です。
-
ドルに対してはバーツに下押し圧力がある
-
円に対してはバーツが高く感じやすい
ここを混同すると、判断を誤ります。
タイ在住者の支出はバーツ建て、海外資産はドル建て、日本との比較感覚は円建てで起きるからです。
まとめると、今起きていることはシンプルで「原油が上がる→タイはお金が出ていく→生活は苦しくなる」、これだけです。
インフレは本当に再燃するのか

いまのタイ経済は、すでに完全な高インフレに突入しているわけではありません。
タイ中央銀行は、2026年の中期的なヘッドライン・インフレ目標を1.0%~3.0%に設定しています。
また、供給側ショックに対しては、金利政策だけでは限界があり、財政措置や規制対応のほうが適切な場合があると示しています。
直近の月次報告では、2月時点のヘッドライン・インフレはまだ弱く、経常収支は貿易黒字を主因に黒字でした。
つまり現時点では、タイ経済がすでに深刻なインフレに陥っているという状態ではありません。
ただし、原油高が長引けば話は別です。
図表①の通り、原油価格が110~130ドルまで上がる深刻なケースでは、インフレへの押し上げが3.0~4.5ポイントとかなり重くなります。
2022年との違いも重要です

図表③
図表③では、タイは2022年とは違う出発点にいることが示されています。
経常収支とCPIの位置が当時とは異なり、同じ原油高でも反応が同じになるとは限りません。
だからこそ、2022年と同じだから大丈夫、あるいは2022年と同じように危険だ、と単純化するのは危ないです。
相場はいつも、前回と少し違う顔で襲ってきます。
タイ政府の対応は、全面支援ではなく選別支援に向かっています

ここは投資家として見逃せません👀 ˎˊ˗
政府が以前のように燃料価格を全面的に抑え込める状況ではなくなりました。
タイ政府は、ディーゼル価格の上限維持を断念し、家計や産業界への影響を和らげるため、福祉カード保有者や特定業種への支援など、よりターゲットを絞った措置を検討しています。
背景には、補助金基金の赤字や政府債務余力の制約があります✍️
つまり、支援はあるかもしれない。
でも、全員が守られる前提では考えないほうがいいということです。
政府が何とかしてくれるだろうという期待だけで資産配分を決めると、有事相場では簡単にやられます。
タイ在住者が今見直すべき資産運用戦略

この局面で大切なのは、原油高だから何か1つに全振りすることではありません。
むしろ、生活防衛と通貨分散を両立することです🤝
1. まず、生活資金のバーツ比率を十分に確保する
タイ在住であれば、家賃、食費、交通費など日々の支出は基本的にバーツ建てです。
原油高局面では生活コストがじわじわ上がりやすいため、短期資金までリスク資産に入れてしまうと、相場変動と物価上昇の二重苦を食らいます。
今やるべきなのは、攻めより先に防衛です。
最低でも、数カ月分の生活費がバーツで確保できているかを見直すべき局面です。
2. ドル建て資産の役割は以前より大きい
原油高局面では、タイのようなエネルギー輸入国の通貨は対ドルで弱くなりやすいです。
そのため、ドル建て資産は通貨分散の意味を持ちやすくなります。
ただし、日本人の場合は少し複雑です。
円建て資産が多い人は、円、バーツ、ドルの3通貨のバランスで考える必要があります。
対円だけを見て、バーツが高い安いと判断すると、本質的な通貨リスクを見誤りやすいです。
どの通貨で生活し、どの通貨で資産を持っているかを分けて考えることが大切です。
3. 金は候補になるが、有事だから即全力は危険
中東情勢の長期化、通貨変動、金融市場の不安定化が続く場合、金への分散は選択肢になります。
タイ国内ではバーツ相場の影響も加わり、金価格が注目されやすい局面です。
ただし、短期的な値動きは大きいです。
有事だから金、と単純に飛びつくのではなく、分散資産の一部として位置づけるのが現実的です。
4. タイ株は、全面強気も全面弱気も危険
限定的な原油高局面では、製油など一部セクターが短期恩恵を受ける可能性があります。
一方で、輸送、農業、自動車、電子、観光関連などには逆風が出やすいとされています。
つまり、タイ株に投資するなら、指数全体を何となく買うよりも、原油高への耐性があるか、価格転嫁力があるかを見たほうがいいということです。
雑に買うと、同じタイ株でも勝ち負けがかなり分かれます。
今、避けたい3つの行動
1. バーツが高いか安いかを、1つの通貨ペアだけで判断する
対円では高く感じても、対ドルでは弱い。
これは普通に起こります。
生活実感と市場分析を混同しないことです。
ここを混ぜると、通貨戦略がぐちゃぐちゃになります。
2. 生活資金までリスク資産に回す
原油高局面では、ガソリン、物流、食料品など、身近なコストがじわじわ上がる可能性があります。
投資より先に、生活防衛資金の確認が優先です。
3. 有事だから金、有事だからエネルギー株と単純化する
今回の局面は、金利、財政、観光、輸出、通貨が複雑に絡みます。
単一テーマへの過度な集中は危険です。
一見かっこいい全力投資ほど、有事では危ないことが多いです。
生き残る人は、派手な人ではなく、崩れにくい人です。
こちらもCHECK
-
-
【バーツ高】2026年どこまで上がるのか徹底解説!〜知らなきゃ損する投資術
最近のタイバーツ高を見て、「ドル安だからでは?」「新興国通貨が全体的に強いだけ?」そう思っている人も多いかもしれません。 ただ今回のバーツ高には、もう一つ重要な要因があります。それが、金価格の急騰です ...
続きを見る
まとめ
中東戦争の激化は、タイにとって遠い国際ニュースではありません。
原油高を通じて、物価、家計、企業収益、観光、為替に波及し、資産運用の前提そのものを揺さぶります。
特に重要なのは、対ドルではバーツ安圧力があり得る一方、日本人には対円でバーツが高く感じられるという点です。
この違いを理解するだけでも、投資判断はかなりクリアになります☝️
現時点で最も現実的なのは、バーツ建て生活資金を厚めに確保しつつ、ドル建て資産や金などを組み合わせて、通貨と資産の分散を図ることです。
そしてタイ株に向き合うなら、指数全体よりも、原油高への耐性や価格転嫁力を持つ企業に目を向けるべきでしょう。
激動期に必要なのは、派手な勝負ではありません。
まず生き残るための設計です。
ここまで読んでくださった方は、もう感覚だけで相場を見る段階から一歩抜けています。
この記事が役に立ったら、保存して、同じように不安を抱えている人にもシェアしてください。
タイの人気スポットやリアルな情報はSNSでも発信中✨
👉 X(旧Twitter)で @thaigir11 をフォローして、旅のヒントを毎日ゲットしよう!
ガイドブックには載っていない “本音のバンコク” が届きます。
現地の空気感・穴場スポット・トレンド美容まで、今知りたい情報を毎日発信中!
📢 最新情報はSNSでも発信中!
フォローしてお得なチャンスを逃さないでね✨




タイ在住駐在員
40代男性